CAS 凝集剤/固化材
CASは Carbonated Aluminate Salts(炭酸アルミネート系塩)の略称です。
CAS-POK-S は無機系凝集剤として、トンネル工事、橋梁工事、港湾浚渫工事などの土木工事現場や下水処理場などで利用されています。
また、福島県内の農業用ため池に対する除染作業にも使われています。
特徴

素早い凝集沈殿 CAS凝集剤
反応速度が速く、短時間に固液分離をします。
重金属を吸着 CAS凝集剤
CAS凝集剤が重金属を包み込み、溶出させません。
pH は中性 CAS凝集剤/固化材
pH が中性のため、薬剤による pH 調整の必要がありません。
固化速度を可変 CAS固化材
CAS固化材の添加率をかえると、固化に必要な時間を任意に変えることができます。
ブリージングやクラックを予防 CAS固化材
CAS固化材を添加すると、ブリージングを起こしにくくなり、寒中コンクリートのクラック発生を予防します。
無機系凝集剤 CAS-POK-S は「ため池等汚染拡散防止対策実証事業」における使用凝集剤に指定されています。
『ため池の放射性物質対策マニュアル』(農林水産省)より
CAS凝集剤
放射性物質の凝集分離
福島第一原子力発電所の事故のため、福島県内にはセシウムが堆積した農業用ため池が多く存在します。そのため、毎年、除染のため浚渫工事が行われています。浚渫工事は、セシウムを含む堆積汚泥を、ポンプなどで汲み上げ、凝集剤を添加し固液分離した後、脱水機を通し含水量を低減し、特殊土のう袋などに入れ保管します。
この時、無機系凝集剤であるCAS凝集剤(CAS-POK-S)が効果を発揮しています。
実験

対象原水濁水

凝集剤投入撹拌。一気にフロックが成長します

撹拌停止。フロックが沈殿します。この間わずか10秒

凝集フロックは非常に大きく粘性がない為脱水性にすぐれています。

凝集剤は無害であり動植物に悪影響を与えることもなく従来の工法よりも経済的です。
安全性
CAS剤の安全性が認められています。
CAS固化材
CAS固化材は、池や港湾などの浚渫工事で発生する堆積汚泥の含水率低減のために使用できます。
CAS固化材の種類
CAS-BS
CAS-BSをポルトランドセメントと組み合わせて使用すると、汚泥や焼却灰などを素早く固化することができます。ポルトランドセメントの添加率を増加させると、一軸圧縮強度が増します。CAS-BSの添加率を増加させると、固化に要する時間が短縮します。
CAS-42
超高速固化材です。ポルトランドセメントにCAS-42を混ぜ込み、水を加えると、瞬時に固化が始まります。混合比率を変えると、固化に要する時間が変化します。
固化速度を自在に設定
CAS固化材の混合比率を可変することで、固化に要する時間を任意に可変することができます。
pHは中性
CAS固化材のpHは、ほぼ中性のため、扱いやすい商品です。
※ポルトランドセメントの比率が多くなると、アルカリに傾くことがあります。また、混合する材料により、固化体のpHは影響を受けます。
ブリージングの防止
CAS固化材を添加すると、ブリージングを起こし難く、また、寒中コンクリートのクラック発生を防止します。